金融/経済ガイド「マネコム」

会員の皆様には、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。平素より格別なるご高配を賜わりまして心より厚くお礼申し上げます。ここに第６２期の事業概況並びに決算状況をご報告申し上げるにあたり、ひとことご挨拶申し上げます。平成24年度のわが国経済は、欧州や海外の不安要因を背景に下期には一段と停滞感が強まりましたが、年末の新政権発足後は、円高の修正、株価の回復などから、持ち直しの兆しが見られました。最近では、「３本の矢」の大胆な金融緩和、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の方針が打ち出され、企業マインドに明るさが戻りつつあります。しかし、地域経済を支えている中小企業の業況は改善の動きが見られる段階にはなく、依然として、売り上げ不振や収益の悪化が続いていることから資金需要は低迷しています。また、市場金利の低下が進むなど、運用面では量と質の両面から金融機関の収益力を低下させています。こうした厳しい環境の中、健全性の向上に努めるため貸倒引当金を5億64百万円積み増すとともに当期純利益は4億67百万円を計上できました。その結果、経営基盤の指標である自己資本比率は8.58％から9.16％に改善できました。業容面では、預積金は4億円増加の2,917億円になりましたが、貸出金は12億円減少の1,372億円にとどまりました。中小企業金融円滑化法は終了しましたが、デフレ脱却と地域活性化が実感できるまで、資金面はもとより経営改善に関する情報提供やアドバイスなどの機能強化に、引き続き全力で取り組んでまいります。本年は合併10周年の節目であり、新たな10年に向けたスタートの年でもあります。地域社会の次の歴史の担い手の一員として、飛躍するための変革に積極的に参画したいと考えています。あらゆる分野に可能性があると信じ、例えば、新しいエネルギー事業や介護事業あるいは観光業など、社会が渇望する有望分野にいち早く対応することや、地場産業ならではのノウハウや付加価値を日本中に広がる信用金庫の情報網を通じて発信するなど、新たな需要喚起に向けた努力を続けてまいります。地域内雇用の創出と個人消費の活性化に繋がる営業活動が信用金庫の原点であり、元気で豊かな社会が共感できるための道筋をつけることに精励し、新しい発想であらゆることにチャレンジし、役職員一丸となって全力を尽す所存でございますので、一層のご愛顧とお引き立てを賜わりますようお願い申し上げます。