代表メッセージ
平素は兵庫信用金庫に格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。このたび、金庫の経営理念、事業方針をはじめ、財務、業務内容や地域貢献活動について分かりやすくお伝えし、より一層のご理解をいただくことを願い「兵庫信用金庫の現況2014」を作成いたしました。是非ご高覧いただき、金庫がさらに皆さまのより身近な金融機関になることができれば幸いでございます。 平成25年度のわが国経済・金融状況は、4月初めに日銀が導入を決めた「量的・質的金融緩和」を受けて、24年度に引続き株高・債券高・円安が大きく進行しました。特に円安効果は、企業業績の改善に大きく寄与し、自動車工業や電機メーカーは輸出採算の改善で収益力拡大に繋がりました。因みに9月中間決算では一部上場企業の純利益合計が前年同期の2倍を越える勢いでありました。株式市場は、外国人投資家を売買主体として買いが主導、日銀のリスク資産等（ETF・J-REIT）買い入れ政策も相俟って大きく上昇し、資産効果を産み出し、個人消費の伸びに貢献しました。加えて、本年4月からの消費税率引上げ前の駆け込み需要も重なって、個人消費の増加、住宅設備投資の拡大等で、1月～3月の第1四半期実質GDPは前期比年率6.7％（25年10月～12月比）の大幅上昇となりました。年度を通して見た日本経済は、アベノミクスの構成要件の3本目である成長戦略の面でスピードダウンの感は否めませんが、概ねデフレ脱却を目指した好循環の流れを引き寄せる入り口近くには来ているものと思われます。一方、円安の負の側面についてみると、経常収支の赤字継続の定着化は気になるところであります。取り分け貿易収支は、当初期待されたＪカーブ効果は100円前後の円安基調が続いても、大企業の生産拠点の海外移転等により輸出の増加に繋がらない中、LNG等の輸入増加に伴うコストは大幅に上昇しており、赤字解消には程遠い状況であります。今後の国内景気を予測するに当たって、消費税率引上げ後の個人消費の落込み影響や回復のペース、世界経済の先行き、特に中国の経済成長の軌道修正（年率7.5％程度の成長目標）や新興国経済の低迷などの輸出への影響等も気になるところであり留意していく必要があると考えております。以上のような経済・金融環境下、平成25年度は、地域金融機関にとって良好な市場環境と企業業績改善の中での信用コスト縮小、そして何よりも会員やお取引先の皆様方の絶大なご支援も有って収益面に於いては、大幅な増益を果たす事が出来ました。平成25年度預金については、期末残高で前年比114億円の増加（プラス1.8％）の6,290億円、平均残高で32億円増加（プラス0.5％）の6,372億円となりました。一方貸出金については、金庫の収益力強化の最重要課題として、本部・営業店一体となってきめ細かい営業推進に注力し質・量の拡大を図ってまいりましたが、期末残高で前年比56億円（マイナス1.8％）減少の3,018億円、平均残高では前年比82億円（マイナス2.6％）減少の3,028億円となりました。当期純利益は、貸出金利息収入は落ちたものの、取引先企業の破綻の減少による信用コスト縮小や、有価証券運用による売却益の増加等を主たる要因として、2,189百万円を計上し、前年比985百万円（プラス81.8％）の大幅増益となりました。平成26年度は、第7次中期経営計画の開始年度であります。基本方針として「揺るぎない経営基盤の確立」「地域一番の顧客満足の提供」「活力・知力ある人材の育成」を掲げ、本年度も役職員一丸となって、地域のお客様とともに繁栄の道を築き上げて行きたいと心より念願しております。どうか引続きご支援・ご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
