金融/経済ガイド「マネコム」

　平素は飯田信用金庫をご愛顧たまわり、誠にありがとうございます。 心よりお礼申し上げます。 　みなさまがたに当金庫の業績をよりよくご理解いただくため、今年も 「HOTLINE2012」を作成しました。本冊子をご高覧いただき、私どもの 現在の姿をご賢察いただければ幸いです。 　さて、国内経済は、平成23年の初頭から包括的な金融緩和政策、外需の回復等により、景気回復色が 強まりましたが、同年3月に発生した東日本大震災、福島第一原発事故は、回復の兆しを見せた日本経済 に大きなダメージを与え、当地区経済にも深刻な影響を及ぼしました。その後、第２四半期には復旧の進 展や消費拡大により緩やかな回復傾向がうかがえましたが、秋口以降、米国や中国などで景気減速が強 まったことや欧州債務問題の長期化による世界経済の下振れ懸念が深刻化、金融市場では円高と株安が 進行して景気回復は足踏み状態となりました。 　しかしながら、年末以降は世界経済の減速懸念が和らぎ、市場は一転して円安・株高となり、景気回復 の兆しが見られるようになりましたが、不安要素が払拭されたわけでなく、欧州債務問題、新興国の経済 成長の鈍化などの海外要因のほか、国内の電力不足懸念、消費税引き上げなどの要因により、先行きは不 透明な状況で、中小企業の経営環境は依然として厳しい状況に直面しています。 　当金庫の平成23年度は、地域社会の発展に貢献するとの経営基本理念のもと、安定的な収益確保のた めの経営基盤強化およびコンプライアンスの徹底を最重点施策に掲げ、地域密着型金融の強化およびリ スク管理の徹底に取り組みました。 　そんな中、預金は前期に引き続いて堅調に推移しましたが、貸出金は長引く景気低迷から目標を大幅に 下回る結果となりました。また、余資運用では、円高・株安という大変厳しい運用環境ではありましたが、効 率的な運用を行った結果、前期並みの利回りを確保することができました。一方、コンプライアンスの面で は、継続的な人材育成・教育の実施およびリスク管理態勢の強化などにより業務の健全性・適切性の確 保に努めるとともに、顧客満足度の向上、預金者の保護等に取り組みました。なお、業況の内容につきまし ては、本冊子の中で詳しく報告させていただきます。 　平成24年度は、第5次中期経営計画の2年目に当たり、安定的な収益確保のための経営基盤強化およ びコンプライアンスの徹底を最重要課題と位置付け、業務の健全性を高め、信頼と安心による顧客満足 度の向上を図ります。今後も経営基本理念である地域社会の発展に貢献するため、常に協同組織金融機 関の原点を確認しながら、地区内トップシェアの地域金融機関として金融円滑化等による地域密着型金 融の強化、リスク管理の徹底、人材の育成・教育にも積極的に取り組み、お客さまの期待に応えて参ります。 　会員のみなさまには、今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。