金融/経済ガイド「マネコム」

皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り誠にありがたく厚く御礼申し上げます。平成23年度のわが国経済は、東日本大震災と原発事故によりまして、甚大な被害を被り、極めて厳しい状況からのスタートとなりました。夏以降は欧州の財政・金融危機等に起因する急激な円高の進行や長期に亘るデフレ不況に加え、少子高齢化・人口減少など構造的な問題を抱えるなど先行きに明るさを見い出せないままに推移してまいりました。当地域の中小企業の業況につきましては、依然として売上不振・受注の減少に歯止めがかからず、更に厳しさを増してきているというのが実態でございます。日本銀行は東日本大震災以降数回にわたり追加金融緩和策を講じましたが、景気回復の兆しは見られず、このため金融庁は中小企業円滑化法を今回に限り更に1年間再延長した処でございます。このような経済情勢の中、当金庫は3ケ年計画＜しんきん「つなぐ力」発揮2009＞の最終年度として、「地域密着型金融の深化」、「独自性の更なる発揮」、「永続性ある経営の確立」を基本方針として一層の地域貢献を果たすべく、各施策に積極的に取組んでまいりました。特に中小企業等金融円滑化法への取組については、取引先の実情に応じた貸出条件の変更等、きめ細やかな対応に努めてまいりました。その結果、預金は期中平残で対前期比7億68百万円増加、期末残高においても対前期比12億42百万円増加の751億62百万円と順調に推移いたしました。一方、貸出金においては、厳しい地域経済環境のなか企業の資金需要は乏しく、個人消費の低迷等もあり期中平残で対前期比1億29百万円減少、期末残高においても対前期比70百万円減少の350億5百万円となりました。収益面では、市場金利の低下等により資金利益が減少、また、株安・円高等により有価証券価格が下落し、経常利益1億42百万円・当期純利益72百万円の計上となっております。また、金融機関の健全性を示す不良債権比率（金融再生法）は昨年度の5.79％から0.68ポイント好転し5.11％に、安全性を示す自己資本比率は昨年度の26.78％から0.16ポイント上昇し26.94％と高い水準を維持しております。尚、出資に対する配当は自己資本の充実と現在の金融情勢を踏まえ、昨年同様3％で実施させていただきました。迎えます平成24年度は厳しい経済状況を反映して、金融機関を取り巻く環境は一段と厳しくなっていくものと予測いたしておりますが、そのような中、当金庫は本年12月1日に改組60周年という記念すべき節目を迎えます。このことは偏に会員ならびに取引先、そして地域の皆様のおかげと深く感謝申し上げる次第でございます。今後も地元金融機関として地域発展のため、役職員一同誠心誠意努力を重ねてまいりますので、引き続きまして皆様の温かいご支援・ご愛顧を賜りますよう心からお願い申し上げご挨拶といたします。