金融/経済ガイド「マネコム」

会員の皆様には、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また、平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。平成24年度の事業概況につきましてご報告致します。平成24年度の日本経済は、欧州債務問題、海外経済の減速、円高による輸出産業の低迷、15年に亘るデフレの進行、原発停止を受けて火力発電の原料となるLNG・原油の大幅な輸入増加などマイナス面があった一方で、公的あるいは民間からの震災復旧・復興需要が引き続き旺盛などプラスの面もありました。その後、日本銀行は秋に「デフレ脱却の道筋」、政府と日本銀行は年明けに政策連携を強化し、「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現」を発表しました。また、3月の日本銀行新総裁の発言により、急激な円安・株高・低金利が進みました。しかし先行きにつきましては、引き続く欧州債務問題、日本と近隣諸国とのトラブル、財政問題、成長戦略の中身、円安による原材料の高騰等国内外に多くの下振れリスクが存在しています。平成24年度は、当金庫の３ヵ年の長期経営計画「『絆きずな力』発揮2012」～地域の課題解決と持続的発展を目指して～の初年度にあたり、このなかで掲げた次の５つの経営課題に取り組み、変化の激しい環境下においても確固たる経営基盤を築き、地域のために必要不可欠な金融機関としての使命を果たすべく努力してまいりました。①地域密着型金融推進の深化②経営の健全性維持③顧客満足度の向上④ガバナンスの強化⑤人材の育成・活用
その結果預金は、法人が若干減少したものの個人は増加し、最終的な期末残高が2,481百万円増加し、272,304百万円、対前期末比0.91％増加しました。貸出金は、当年度も事業性貸出と消費者ローンの推進に力を入れてきましたが、事業所向け貸出が2,816百万円、個人向け貸出が475百万円、地方公共団体向け貸出が342百万円それぞれ減少し、期末残高は対前期末比3,633百万円、2.65％の減少と厳しい結果となりました。収益面では、貸出金の減少を主因として、業務純益は890百万円、前期比
224百万円、20.10％の減益となりました。また経常利益は683百万円、前期比41百万円、5.66％の減益となりましたが、最終的に税引後当期純利益は319百万円、前期比16百万円、5.28％の増加となりました。また、今期の不良債権比率は5.61％となり、前期に比べ0.18ポイント悪化いた
しましたが自己資本比率は16.44％と前期比0.05ポイント良化することができました。迎えました平成25年度は、新長期経営計画「『絆きずな力』発揮2012」の中央年度という重要な年度であり、本年7月には「出来島支店の移転開設」と「ローンプラザの新設」を予定しており、これまで以上に皆様のお役に立てる信用金庫になっていく決意です。何卒、今後とも一層のご支援、ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。