金融/経済ガイド「マネコム」

　平素は私ども関信用金庫に格別のご支援とご愛顧を賜わり、誠に有難うございます。 　皆さまの当金庫に対するご理解を一層深めていただくために、本年も「せきしんの現況2012」を作成いたしました。本誌により、 地域金融機関としてのせきしんをさらに身近に感じていただければ幸いに存じます。 　平成23年の日本経済は、3月11日の東日本大震災や10月に発生したタイの大洪水という国内外の未曾有の災害に見舞わ れ、自動車部品や電子部品を始めとしたサプライチェーン（供給体制）の寸断により、生産活動に大きな支障がもたらされました。 金融市場においては、欧州諸国の政府債務問題や米国・中国経済の先行き不透明感から、一段と円高が進行し輸出企業に 大きな痛手を被りました。いまだに南欧諸国の財政不安は沈静化しておらず、政府・日本銀行は円高対策とともに財政・金融緩 和政策を引き続き求められていくでしょう。 　こうした経済環境の下で、中小企業金融円滑化法が平成25年3月末まで再延長され、中小企業者や住宅ローン利用者の返 済を猶予し、事業や国民生活の安定化を図るため金融支援を継続しております。 　当金庫は過去から一貫して地域とともに、使命共同体として円滑な地域金融を図るべく役割を担っており、この円滑化法の 主旨を実現するため、事業資金や住宅ローンの返済猶予のご相談に真摯に取り組むだけでなく、地域の中小企業を始めとする お取引先に対し適切なコンサルティング活動を全力で展開して参りました。さらに平成23年度より取り組んでおります「第5次地 域密着型金融推進計画」の推進においては、取引先中小企業への円滑な資金供給に継続的に心がけて参りました。ライフサイ クルに応じた企業支援の強化策として、中小企業診断士有資格者による経営相談会を21回開催する他、取引先中小企業へ の継続的訪問によるコンサルティング活動にも精力的に取り組んで参りました。また、地域経済貢献活動の一環として、取引先の 若手経営者を対象として「せきしん若手経営塾ネクスト2011」を3回開催し、経営計画策定支援に努めて参りました。 　こうした活動の結果、貸出金は期末残高で1,025億円、預金は2,040億円となりました。損益面では、経常利益で108百万円、 当期純利益で11百万円を計上することとなりました。また、経営の健全性を示す指標である自己資本比率は13.06％となり、国 内基準である4％を大きく上回り、安定した水準を維持することができました。なお、金融再生法上の不良債権比率は6.70％となっ ております。 　当金庫は地域経済が厳しい環境下にある今こそ、地域密着型金融のあるべき姿を追求し、そのためには地域のお客さまとのリ レーション、信頼関係の強化こそ最大の命題であると心に刻み、地域になくてはならない金融機関を目指して、これまで以上に感 謝の気持ちを忘れず、地域貢献の原点に返って、役職員が一丸となり全力で金庫経営に取り組む所存であります。 　何卒今後とも、会員の皆さまのご支援とご愛顧をお願い申し上げ、ご挨拶と致します。