金融/経済ガイド「マネコム」

　皆さまには、平素より高知県信用農業協同組合連合会（JA バンク高知信連）をご利用いただき誠にありがとうございます。
　当会は、昭和 23 年の設立以来半世紀あまり、高知県の農業や地域社会の発展を金融面より支援する地域金融機関として歩んでまいりました。これもひとえに皆さまの温かいご理解とご支援の賜と、深く感謝申し上げます。
　本年も当会の事業や経営内容について皆さまにご紹介いたしたく、小誌を作成いたしました。ご一読いただき、当会に対するご理解をより一層深めていただければ幸いに存じます。

　さて、一昨年の安倍政権発足以降、強力な金融緩和政策や集約的な財政出動により、資産価格や企業業績上昇を通じた景況感の持ち直しから、国内景気は緩やかではあるものの回復傾向となっております。
　ただし、米国や中国を中心とした海外経済を巡る不確実性は依然として高く、国内においては消費増税による駆け込み需要の反動等、これらの動向が国内経済への下押し圧力となる可能性は否定できません。
　また、JA グループの基盤である農業については、農地面積の減少や農業者の高齢化に伴う農家戸数の減少といった構造的な問題に加え、政府は TPP（環太平洋戦略的経済連携協定）交渉において昨年 7 月から参加しております。
　「聖域」とするコメなどの重要 5 品目については、関税を維持するための協議を続けていますが、他の交渉参加国との主張の隔たりが大きく、万一関税が撤廃されることになれば、日本農業への影響は計り知れません。
　さらに、政府は国が農家ごとに主食米の生産量を割り当てて価格を維持する生産調整（減反）を 5 年後に廃止するとともに、減反に協力する農家への補助金を段階的に廃止することを決定しました。TPP をにらみ農業の競争力強化と農地集約を促すのが狙いとされていますが、コメの生産割合が高い地域は影響も大きいことが懸念されます。
　こうした状況の下、当会としましては、地域金融機関としてリレーションシップ・バンキングの役割、特に農業金融分野では JA グループの一員としてその使命を果たしていくとともに、「JA バンク基本方針」に基づき、これまで以上に信頼性の維持・向上に向けた事業運営を徹底してまいります。

　今後とも、県内 15JA と一体となった信用事業運営に対しまして、皆さまの一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。