金融/経済ガイド「マネコム」

平素は、全信組連の事業運営につきまして、格別のご支援を賜り厚くお礼申し上げます。

　全信組連は、設立以来、信用組合の系統中央金融機関としての役割を担うべく資金決済・仲介機能にかかるインフラの整備、余裕資金の運用などを通じ、信用組合の金融取引の中核を担うとともに、金融業務の補完、業界の信用力の維持・向上に努めてまいりました。
　平成25年度はおかげをもちまして、資金量4兆7,410億円、当期純利益101億円と安定した経営基盤・収益力を維持しつつ、健全性の指標である自己資本比率につきましても27.89％と高い水準を維持することができました。
　また、全信組連は、平成26年3月に満60周年を迎えることができました。これもひとえに、信用組合をはじめ関係各方面の方々のご支援とご協力あっての賜物と切に感謝申し上げる次第です。

　さて、国内経済に目を向けますと、積極的な金融・財政政策への転換等を柱とするいわゆるアベノミクス効果などから、株式市場を中心に先行して明るい兆しを見せているものの、信用組合の主たる取引先である中小零細企業の業況は未だ回復途上にあり、地域経済は少子高齢化や人口減少、産業の空洞化に伴う中小企業数の減少といった構造的な問題に直面しています。

　こうした現状において、信用組合は地域密着型金融の重要な担い手として、地域における取引顧客を支えていくという意味からも、金融機関としての競争力ならびに収益力を引き続き確保していくことは極めて重要な課題となっています。そのためにも、新規の起業や事業の承継、あるいは新事業の展開などの取引先の動きに対し、外部機関と連携しつつ前向きな支援をいかに進めていくかといった、単に「貸出す金融」から「育てる金融」への転換をいかに実現していくかが期待されるところです。
　 こうした中、全信組連は、信用組合を様々な側面から支えるという基本使命を適切に果たすため、セーフティネット機能の充実に努めるとともに、信用組合の機能サポート・バックアップとして、有価証券運用サポートの積極化を推し進めたほか、外部機関との連携強化を図り信用組合への情報提供を充実させました。また、第3次くみれんネットシステムの移行作業など、業界インフラの整備にも努めてまいりました。

　平成26年度からは新たな「全信組連経営の中期的戦略」のもと、新しい歴史の一ページを創るべく、信用組合の系統中央金融機関として決意も新たに業務に取り組んでまいります。全信組連が各地の信用組合をサポートし、その信用組合が自ら拠って立つ地域、業域、職域を支えるという関係性を強固にしつつ、組合員の皆様と共に豊かになる好循環の輪を形成していきたいと考えておりますので、引き続き一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。