代表メッセージ
皆さまには、平素より富士火災をお引き立ていただき、誠にありがとうございます。
わが国経済は、安倍政権発足以来、個人消費や企業収益などの回復に伴う緩やかな成長傾向が続いています。また、懸念された本年4月の消費税引き上げの影響も軽微に収まるとの予測がされています。
このような経営環境のもと、当社は長年培った地域営業基盤と親会社であるAIGグループの経験やノウハウの活用により、「持続的なトップラインの成長」「損害率と事業費の改善による保険引受利益の改善」「コーポレートビジョンやグローバルスタンダードへの適合による組織力の強化」を進めています。
トップライン成長のための商品戦略においては、重点商品の損害率をより深く分析し、収益性の高い分野に焦点を絞った商品開発に取り組みました。その一環として2013年8月に製造業・卸売業・小売業向け商品として発売した新物流総合保険「LOGI-ACE」は、原材料の仕入れから販売に至るまで、企業が抱える様々な物流リスクを1保険証券でトータルに補償することができる、利便性の高い商品としてご好評いただいています。
また、これらの商品をお客さまにおすすめする販売チャネル戦略についても、ターゲット顧客のニーズや利便性に適合した代理店の開発を推進しています。
保険引受利益の改善においては、アンダーライティングを強化する一方、お客さまに公平で適正な保険料を提供するため、きめ細かなリスク分析に基づく料率算出にも注力しました。特に、自動車保険では、「ノンフリート等級別料率制度」の改定効果も加わり、損害率が大幅に改善しています。また、火災保険の主力商品である「家庭用火災総合保険(未来住まいる)」において、iPadによる契約の募集から締結までを可能とした「かんたんナビ」を導入しました。ペーパーレスによる契約事務の簡素化、商品や特約数の削減など、「コスト削減」につながる各種施策の推進を図ることで、より効率性の高い体制の構築に努めています。
業務面においては、お客さまや代理店からの電話応対業務を行うコンタクトセンターを現在の大阪市に加えて那覇市に、また、契約管理や保険金支払いに関する業務を行うビジネスセンターを長崎市に新設し、業務集約化によるお客さまへのサービス水準の向上と、事業効率の更なる改善を図る体制整備を進めています。この体制により、事務センターがある松山市と地理的分散を図ることが可能になり、大規模災害が発生した場合においても事業継続計画(BCP)が遂行出来る体制を強化しました。
また、従来から実行している保険金支払いに関するお客さま満足度調査を発展させ、さらに厳しい基準を追求するNPS(ネットプロモータースコア)の導入により、お客さま満足度の一層の向上に向け取り組んでいます。システムセキュリティに関しても、お客さま情報保護の観点から、グローバルスタンダードに基づく強化を実行しました。
今年度も「身近で頼れるプロフェッショナル」として、すべてのお客さまに確かな安心を提供することで活力ある地域社会の実現を目指すため、社員一丸となって取り組んでまいります。
最後に、当社は日本におけるAIGグループの再編に伴い、関係当局の認可等を前提に2015年下半期以降にAIU損害保険株式会社との合併による経営統合を行う方針を昨年決定しました。
統合後の新会社は両社がそれぞれ長年にわたり培ってきた強みを融合することで、お客さまのニーズに応えご満足いただける商品やサービスをご提供する「最先端の保険会社」を目指してまいります。
当社は1918年の創業から今年で96年を迎えました。今後とも、変わらぬ皆さまのご支援とご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。