金融/経済ガイド「マネコム」

皆さまには、平素より私ども函館信用金庫をお引き立ていただき、誠にありがとうございます。
　ここに、本年も、「はこしん」の経営内容をより理解賜りたくディスクロージャー誌「HAKOSHIN REPORT　2014」をお届けいたします。
　さて、昨年度の我が国の経済環境は、政府の「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」、それに呼応した日本銀行による「異次元の量的緩和政策」により株価は上昇し、円安は実現しましたが、これらが実態経済の持続的回復に繋がっていたとは必ずしも言えない状況であったかと思います。
　また、今年4月からの消費税の8%への引き上げ、公共料金の値上げ等による消費の推移を含め、今後の我が国の経済環境の動向は、政府及び日本銀行による追加緩和政策の実施の時期とその政策が今後の設備投資の増加や消費の拡大に繋がるのかにより大きく左右されるものと思われます。
　一方、管内経済に目を転じますと、北海道新幹線工事は、平成２７年度開通にむけ、最終局面に入り、新駅名も決定しました。それに加え、主要産業である観光業も外国人観光客を中心に回復傾向は継続しており、一部の業種では人手不足となるなど、経済環境の改善を期待できる状況となっております。
　こうした経済環境化におきまして、わたしども「はこしん」は、地域金融機関としての使命を全うし、地域の皆さまの信頼にお応えするべく業務展開してまいりましたが、お蔭をもちまして、平成２５年度も一定の利益を計上することができました。
　また、当庫は今年7月をもちまして創立90周年を迎えることができました。これも偏に皆さまの当庫への日常業務に関するご協力・ご理解・ご支援の賜物であり、役職員全員心より感謝申し上げます。
　平成２６年度は、大都市圏や大企業を中心に景気の上昇感がやや出てきている一方で、私どもの地元である道南・函館地区、或いは取引先である中小・個人企業の皆さまが、景気の回復を現実のものとして実感するまでにはまだ時間がかかると思われます。その中で私ども「はこしん」は今後とも地域金融機関としての理念に基づき、地域の皆さまと共に生き、地域の発展に寄与してまいる所存でございますので、なお一層のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
　末筆ながら、お取引先皆様方の今後の益々のご健勝、ご多幸をご祈念申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
　平成26年7月
理事長　上條　博英