金融/経済ガイド「マネコム」

平素より高松信用金庫に対し格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。この度、伊賀三千廣前理事長の後任として平成24年6月18日付で理事長に就任いたしました。微力ではありますが、これまでの経験も活かしつつ、誠心誠意、全役職員と共に与えられた使命を果たしていく所存です。さて、日本経済は昨年の東日本大震災から1年余りが過ぎ、徐々に復興需要も出てきていますが、欧州債務問題に伴う海外経済の減速等もあり、景気は依然として横ばい圏内の動きとなっています。特に、地域経済は少子化・人口減少等による影響を大きく受けており、厳しい状況が続いています。こうした中、わが信用金庫業界は、昨年、信用金庫法制定60周年を迎えました。信用金庫の組織形態である協同組織（一人一票制の会員組織）のルーツは、ドイツの信用組合と鎌倉時代からの相互扶助（助け合い）の精神に遡ると言われています。すなわち、信用金庫は銀行と違い営業地域と融資先が限定され、地域と人的に密接に結びついた地域金融機関です。そして、現在のように混迷した時代だからこそ、相互扶助の精神や「地域社会繁栄への奉仕」、「中小企業の健全な発展」、「豊かな国民生活の実現」といった信用金庫本来の役割の重要性が再認識されているのです。今や、信用金庫は全国に271金庫、約7,600店舗のネットワークを展開しており、その「つなぐ力」や「総合力」で地域を支え、地域の未来を創る大切な役割を担っています。当金庫は、昭和24年に高松相互信用組合として誕生の後、同26年の信用金庫法の制定と共に高松信用金庫となり、60余年の歴史を刻んでまいりました。この間、地元香川の中小企業やそこで働く方々、地域で暮らす方々を支援し、地域の発展に貢献してまいりました。一方、当金庫に対する地域の皆様からの信頼を確固たるものにしていくには、積極果敢なチャレンジ精神を発揮し、環境変化に柔軟に対応する必要もあります。今年4月からスタートした新しい経営計画（3ヵ年）では、新たな経営理念として「われわれは郷土のすべての企業に繁栄をすべての家庭に幸福をもたらすために奉仕する」を掲げ、金庫を挙げて経営基盤の強化に取り組んでいる所です。また、引き続きお客様の視点に立ち、迅速かつ適切な金融サービス、一段と付加価値の高いサービスを提供し、更なる地域貢献に取り組んでまいります。今後ともより一層の温かいご支援並びにご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。