金融/経済ガイド「マネコム」

盛夏の候、皆様には益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。また、平素より山梨信用金庫に対し格別なお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。ここに、第88 期（平成23 年度）の事業の概要および決算状況をご報告するにあたり、皆様からの平素の温かいご支援ご愛顧に対しまして重ねて御礼申し上げます。さて、平成23 年度のわが国経済は、3 月に発生した東日本大震災、また、これに起因する電力制限等により甚大な影響を受けるとともに、その後 のギリシャ財政危機の深刻化を背景とした欧州ソ ブリン問題に世界経済が大きく揺れ、記録的な円 高の長期化等、かつてない厳しい状況で推移いたしました。年度後半にかけて震災の影響も薄れて きたものの、当金庫の営業エリアにおいては、一 部に復興需要を取り込む取引先企業が見られた反 面、観光・レジャー産業を中心に大きな打撃を受 けたほか、多様な業種において、売上の減少や資 金繰りの悪化等の影響を受けました。 　この間、金融政策の面では、日本銀行により、 ゼロ金利政策の継続、多様な金融資産の買取りの 継続実施、ならびに追加金融緩和策等の諸施策が 実施されたほか、金融円滑化法についても1 年間 再延長されております。 　こうした情勢のもと、当金庫は、引続き地域密 着型（課題解決型）金融の推進、信用コストの削 減、人材育成等の諸施策を深化させつつ、「自律と 連携」・「基本動作の徹底」をキーワードとして法 人営業部の新設・営業推進態勢の見直しなど融資 推進等基盤強化のための組織態勢を整備し、営業 展開を図るとともに、経営の合理化・効率化を図 るため、6 店舗の統合をいたしました。 　特に、中小企業者等に対する金融の円滑化につきましては、引続きお客様の資金繰り等の相談に きめ細かく対応するとともに、「創業支援ローン」、 「事業承継ローン」等の新商品の提供、個別商談会 の開催、他県開催のビジネスマッチングへの参加 など、お客様のライフステージに合わせた経営支 援活動を積極的に行ってまいりました。 　こうした取組みの結果、当金庫における23 年 度の業績につきましては、資金需要の低迷により 貸出金は年初来減少したものの、本業ベースの収 益力を示すコア業務純益は15 億円と計画を1 億 4 千7 百万円上回る実績をあげることができまし た。また、経営の健全性を示す自己資本比率につ きましては、8.12％と前期比0.48 ポイントの改 善が図られたほか、目安とされる4％を大きく上 回る水準を維持いたしました。 　24 年度につきましては、引続き厳しい経済環境 が予想されておりますが、合併10 周年を迎える 節目の年として、「躍動～さらなる向上をめざして」 のテーマのもと、地域のお客様の豊かな暮らしと、 中小企業の繁栄に資するべく、魅力ある商品の提 供、資金繰り支援、経営相談等のコンサルティン グ機能の強化を図り、金融サービスの更なる向上 に取り組んでまいる所存でございますので、今後 とも、より一層のご支援ご協力を賜りますようお 願い申し上げます。