代表メッセージ
拝啓 平素は格別のご高配とご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
カブドットコム証券は2014年11月19日をもちまして創業15周年を迎えました。また来年2015年3月17日には東証一部上場10周年を迎えます。
これもひとえに、お客さまをはじめとし、株主の皆さま、関係者の皆さまのご支援、ご愛顧の賜物と深く感謝しております。
創業以来、「顧客投資成績重視の経営」の経営理念を貫く
当社は創業以来、「顧客投資成績重視の経営」という経営理念を掲げ、お客さまが儲かることこそが当社の成長・拡大にもつながると確信し、そのための経営態勢の構築やシステムならびにサービスの拡充に努めてまいりました。今日では大手ネット証券の一角を占めるまでに当社が成長できたのも、当社の経営理念にお客さまをはじめとしてご支持いただけたからこそと考えております。当社は創業以来、株式シェアを着実に伸ばし続け、2014年度上期には過去最高となる9％を突破。10％が目前に迫るまでになりました。
「リスク管理追求型」のシステム、サービスを創り、磨き続けた15年間
当社の特長の一つは、「自社システム開発力・運営力」です。当社のサービスコンセプトは「損をしないことが儲けにつながる」という「リスク管理追求型」ですが、「逆指値注文」をはじめとする「自動売買」や、ビッグデータを利用した「リアルタイム株価予測」など、他にはない先進的・革新的なサービスを最新のＩＴ技術を駆使して創り上げることにこだわってまいりました。いかなる外部環境の変化があっても、創業以来15年間、当社のコアであるシステムへの投資や開発を怠らず、貫いてまいりました。
MUFGグループのリテールビジネスのネット戦略中核会社として
当社のもう一つの特長は、「大手ネット証券唯一のメガバンクグループの一員」であることです。当社は、2007年にMUFGグループの連結子会社となりました。 世界有数の金融コングロマリットであるMUFGグループの中で、当社はリテールビジネスのネット戦略の中核会社と位置づけられており、三菱東京UFJ銀行との「金融商品仲介ビジネス」や「銀行代理業」などでの銀行基盤との連携、三菱UFJモルガン・スタンレー証券との商品・サービス連携など、MUFGグループ各社とのシナジーを強化しています。MUFGのグループ力とブランド力を活用し、MUFGリテールの「お客さまとご家族の末永い幸せに貢献する」という理念の実現にも貢献してまいります。
金融サービスの「情報処理産業化」による競争の激化
今日では、ＩＴ技術の目覚しい進歩にしたがって、金融サービスの「情報処理産業化」がさらに加速しています。手数料競争や商品拡充などのマーケティング競争の時代は終わり、システムインフラ競争の時代に突入していると認識しております。金融ネットリテールの世界での競争がますます激しくなっている中で、当社はお客さまから一番に選ばれるネット証券にならなければならないと感じております。
団塊世代への資産移転、「ＮＩＳＡ」でネット証券に大いに成長余地
ネット証券には成長の余地がまだまだ大いにあると考えています。当社を含めた大手ネット証券５社では株式のフロー（売買代金）こそ約8～9割のシェアを誇っていますが、ストック（預かり資産）においては2割にも満たないといわれています。日本の個人金融資産約1,600兆円のうち、株式が占める割合は約5％にとどまっており、「貯蓄から投資へ」の流れは未だに本格化していないのが実情です。団塊の世代への金融資産の移転に加え、また2014年1月から開始された「ＮＩＳＡ（ニーサ）」（少額投資非課税制度）をきっかけとして、個人投資家のすそ野はますます広がってくるものと期待しています。
APIと金融商品仲介を組み合わせた「BtoBtoCビジネス」の展開へ
今後の新たな戦略は、当社の強みである自製システムの開発・運営ノウハウを活かしたネットワーク型ビジネスの展開です。その一つが、当社のシステム基盤を利用した「ＢｔｏＢｔｏＣビジネス」の展開です。例えば、当社のシステム基盤と接続できる「ＡＰＩ（Application Programming Interface）環境」を提供することにより、システム接続先の会社に当社の商品・サービス提供をおこなうという、インターネット上での「金融商品仲介ビジネス」です。三菱東京ＵＦＪ銀行やじぶん銀行など、当社が所属するＭＵＦＧグループ会社をはじめとして、このような「ＡＳＰ（Application Service Provider）事業」の実績は既にありますが、将来的に大きな成長の可能性を秘めている分野と考えており、一層の拡大を進めてまいります。
新システム基盤「ＲＡＩＤＥＮ」（ライデン）の稼動
このたび、１年半に亘っておこなっていた創業以来のシステム基盤を全面刷新するプロジェクトが完了し、2014年11月4日より、新システム基盤「ＲＡＩＤＥＮ™」（ライデン）が稼動いたしました。「ＲＡＩＤＥＮ™」は当社の従来のシステムに比べ、10倍以上のパフォーマンスを発揮しております。創業時、「日本版クリアリングファーム」を目指すという目標も掲げていましたが、この「ＲＡＩＤＥＮ™」を足がかりとして、その目標に向けても邁進する所存です。
創業15周年を迎えるにあたり、「顧客投資成績重視の経営」という経営理念を役職員一同があらためて肝に銘じ、お客さまの投資成績の向上により一層お役に立てるサービスを、そして他の証券会社には真似ができないサービスを実現・提供していきたいと考えております。 今後とも、皆さまの変わらぬご愛顧とご支援を賜りたく、心よりお願い申し上げます。
